医療保険制度について 日本の医療保険制度は、職業や年齢によって種類は異なりますが、全ての国民が「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」のいずれかに加入しています。これを「国民皆保険制度」といい、国民全員が平等に医療を受けることができるようになっています。国民皆保険制度は、被保険者である国民全員が納める保険料と、国や地方の公費により成り立っています。この制度により病気で医療機関を受診したときに保険証を提示すれば、基本的に3割の負担で医療を受けることが可能です。 医療保険の適用範囲 医療保険制度では、保険適用の病名、検査、治療などが詳細に分類されており、大まかに下記のように分類されます。 保険適応 病気 怪我 歯科診療 薬局の調剤費 訪問診療など 保険適用外 先進医療 歯科材料 正常な妊娠と出産 美容医療 健康診断 予防接種 不妊治療は助成金が支払われていたものの保険適用ではありませんでしたが、2022年4月より保険適用になっています。 美容医療の保険適用 美容医療は病気を対象としておらず、見た目をきれいにして満足度を高めることが目的のため、基本的には自由診療になります。美容外科手術は自由診療になりますが、形成外科領域で生まれつきの奇形・ケガ・悪性腫瘍などによる変型や欠損などに対して手術を行い、機能や外見を改善させることは、病気・怪我を扱う保険適用の治療になります。 医療ダイエットは保険適用? 医療ダイエットは、メディカルダイエット、医療痩身などとも呼ばれ、形成外科、美容外科、美容皮膚科などの医師や看護師によって、注射・医療機器・内服薬などを使った医療行為による痩身治療です。その目的は、肥満という病気を治すことではなく、脂肪を減少させて体型を改善し、見た目をきれいにすることにあります。そのため美容目的の診療であり健康保険の適用にはならず、自由診療になります。自由診療の場合、料金は各施設で自由に決めることができますため、各施設での治療方法、料金、保証制度などをよく比較検討することが大切です。 肥満の治療は保険適用 治療が必要な肥満に対しては保険が適応されることがあります。一般的に肥満症とは、身長と体重から求められるBMIが25㎏/㎡以上ですが、更に肥満の度合いによって細かく分類されます。食事療法、運動療法、行動療法などで痩せることを目指すことが一般的です。BMIが35kg/㎡以上の病的な肥満の場合に保険が適応となり、マジンドール(サノレックス®)が適応になります。食事療法と運動療法を行っても効果が不十分な場合に、食欲抑制薬として1〜3ヵ月間使用されますが、条件を満たさない場合は適応外使用になります。 まとめ 保険適用で利用可能なダイエット治療は、食事療法や運動療法が中心で適用される薬も限られており、継続が難しいことがあります。保険適用になるというダイエットが謳われている場合には、なぜ保険適用になるのか説明を受けるようにしましょう。 無料カウンセリングはこちら