お腹の脂肪を落とす漢方は? 脂肪燃焼のメカニズムや効果について解説
- 投稿日:2024年01月22日
お腹の余分な脂肪がなかなか落ちず、ダイエットで苦労している方におすすめしたいのが、お腹の脂肪を落として肥満症を改善する漢方です。
脂肪の蓄積は、便秘気味やむくみやすいなどの体質が関係している場合があります。お腹の脂肪を落とす漢方を服用することで、健康的に体質を改善をしながら痩せやすく太りにくい身体づくりをサポートすることが可能です。
今回のコラムでは、お腹の脂肪に効果的な漢方の紹介をはじめ、漢方による脂肪燃焼のメカニズムや合わないタイプの方について解説します。お腹の余分な脂肪や便秘が気になる方、漢方で痩せやすい体質を手に入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
お腹の脂肪を落とす漢方はある?
お腹の脂肪を落としたい方におすすめの漢方は「防風通聖散」です。
防風通聖散は、18種類の生薬が配合された漢方で、お腹まわりの脂肪燃焼を促進させ、肥満症の改善などのダイエット効果を発揮します。また、胃腸の熱を取り除く作用があり、食欲抑制効果によって食べ過ぎが原因の肥満を防ぐことが可能です。
さらに、身体の水分循環を良くし、余分な水分や老廃物を体外に排出する作用もあるため、発汗・利尿・便通を改善し、むくみ解消やにきび改善にも効果を発揮します。
防風通聖散は、医療機関で医師の診察のもと処方を受けるほか、市販薬をドラッグストアや通販で購入できます。
漢方による脂肪燃焼のメカニズム
防風通聖散によって、お腹の脂肪燃焼を起こすメカニズムは以下の3点です。
- 食事で体内に取り込まれた脂質の吸収を抑制
- 脂肪細胞を活性化し、体脂肪の分解・燃焼を促進
- 便通促進作用で過剰となった脂質を便とともに排出
防風通聖散は、メインの生薬である麻黄(マオウ)により、脂肪細胞を活性化させ、体脂肪の分解・燃焼を促進します。また、甘草(カンゾウ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)などの生薬が脂肪細胞の活性化状態が持続するように働きかけ、麻黄の働きをサポートします。
さらに、防風通聖散には胃腸の働きを整えて便通を促進する作用があり、便秘の解消に効果的です。便秘が解消されると、食事で取り込んだ脂質を便とともに排出するため、過剰な脂質の蓄積を防いで肥満症の改善につながります。
このように、18種類の生薬によるさまざまな効能を組み合わせて脂肪燃焼を促進し、お腹の脂肪を落とす効果が期待できます。
漢方が合わない方
漢方は配合された生薬によるさまざまな効能がありますが、体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮できません。
防風通聖散が合う方・合わない方の特徴は以下のとおりです。
- 合う方…血行が良い、胃腸が強い、便秘気味、暑がり(実証タイプ)
- 合わない方…顔色が悪い、胃腸が弱い、下痢をしやすい、寒がり(虚証タイプ)
漢方の服用にあたっては、個人の体質や体力を表す「証(ショウ)」といわれる指標が重要になります。代表的な証は、外見や抵抗力を判断する「実証(ジッショウ)」と「虚証(キョショウ)」の2つです。実証は体力や抵抗力が充実している方、虚証は抵抗力が低下し、疲れやすく弱々しい方を指します。
防風通聖散は実証タイプの方に向いた漢方のため、虚証タイプの方は体質的に効果が現れにくい可能性があります。
漢方だけでは痩せない?
防風通聖散は正しく服用することで、脂肪燃焼の促進やむくみの改善などのダイエット効果が期待できる漢方です。ただし、主な目的は体質改善のため、服用するだけですぐに痩せるわけではありません。
ダイエットを成功させるためには、栄養バランスの取れた食事や適度な運動など生活習慣の改善が重要です。防風通聖散は、ダイエットのサポートとして服用をおすすめします。
また、防風通聖散は2週間〜1ヶ月程度飲み続けるとダイエット効果が現れ始めますが、一人ひとりの症状や体質によって効果を実感するタイミングは異なります。1ヶ月以上服用しても効果を感じられない場合は、担当の医師または薬剤師に相談しましょう。
漢方を飲んではいけない方
漢方は一般的に身体への負担が小さいとされていますが、まれに副作用が起きる可能性があります。
防風通聖散による副作用の症状は以下のとおりです。
- 食欲不振・嘔吐・便秘・下痢
- 動悸・不眠・発汗過多
- 皮膚のかゆみ・発疹
医師の治療を受けている方や高齢者の方、妊婦または妊娠の可能性がある方、今までに薬で発疹・発赤、かゆみを起こしたことがある方などは服用を控えるか、事前に担当の医師や薬剤師に服用時の注意についてご相談ください。
まとめ
お腹の脂肪を落とす漢方として、お腹まわりの脂肪燃焼を促進させ、肥満症の改善に有効な防風通聖散をご紹介しました。同じ症状でも個人の体質によって適した漢方が異なるため、自分に向いているか事前によく理解したうえでの服用をおすすめします。
BSクリニックでは、医師の指導のもとで患者様一人ひとりの体質に合わせた痩身治療を行い、理想のボディメイクを実現します。食事制限によるダイエットが続かない、運動して痩せてもすぐリバウンドしてしまうなどのお悩みをお持ちの方は、当院へお気軽にご相談ください。
監修医師
BSクリニック 顧問医師医学博士
舟越 勇介
学歴・経歴
九州大学医学部を卒業後、数々の有名病院で勤務。癌治療や分子生物学の研究で学位を取得した後、美容クリニックの勤務を経て2023年にBSクリニック顧問医師に就任。 医療に対する学術論文を複数発表し、国内外の有名な機関紙にも掲載され評価を得る。
資格・所属学会一覧
- 日本美容医療学会 正会員
- 日本肥満学会 正会員
- 日本美容外科学会 正会員
- 日本癌学会 正会員
- 日本脳腫瘍学会 正会員
- 日本脳卒中学会 正会員・専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 正会員・専門医
- 日本脳卒中の外科学会 正会員・技術認定医
- 日本神経内視鏡学会 正会員・技術認定医
- 日本脊髄外科学会 正会員
- 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 厚生労働省認定 臨床研修指導医
- ボトックスビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
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防風通聖散は肥満症を改善する漢方薬です。発汗・便通・清熱・利尿を促す作用により、脂肪燃焼・分解、便秘解消、肩こり・のぼせ解消、副鼻腔炎改善、湿疹・皮膚炎改善などの効果を発揮します。18種の生薬の効能を組み合わせることで、多種多様な効果を生む防風通聖散ですが、「痩せる漢方薬」としてとりわけダイエット効果に注目されています。 このコラムでは、防風通聖散のダイエット効果や痩せる仕組み、副作用などを解説します。 防風通聖散のダイエット効果 防風通聖散を服用すると、以下のダイエット効果が期待できます。 脂肪分解・燃焼 便秘解消 むくみ解消 防風通聖散のメインの生薬は麻黄(マオウ)と防風(ボウフウ)です。 麻黄は、交感神経を刺激して脂肪細胞を活性化させて、脂肪の分解・燃焼を促進します。さらに甘草(カンゾウ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)などの生薬が脂肪細胞の活性化状態が持続するように働きかけ、麻黄の脂肪分解・脂肪燃焼効果をサポートします。 防風には発汗作用や血行促進作用、解熱作用があります。発汗や血行促進で余分な水分や老廃物を排出し、むくみを解消して身体を引き締めます。解熱作用で体内の熱が下がると食欲を抑えられるため、食べ過ぎてしまう方に有効です。 また、防風通聖散は胃腸の調子を整えて消化を促進する効能もあるため、便秘の解消も期待できます。便秘が続いていると、腸内に留まっている便から水分や糖質、脂質が再吸収され、不要なエネルギーが皮下脂肪に蓄えられてしまいます。そのため、防風通聖散を服用して便秘を解消することで皮下脂肪の増加を抑えることができます。さらに、防風通聖散は食事で取り込んだ脂質を便とともに排出する効果も確認されています。 このように、防風通聖散は18種の生薬によるさまざまな効能を組み合わせて肥満を改善します。 防風通聖散はどれくらいで効果が出る? 防風通聖散は2週間~1ヶ月程度飲み続けるとダイエット効果が現れ始めます。症状や体質により、効果を実感する時期は一人ひとり異なりますが、1ヶ月以上服用してもダイエット効果を感じられない場合は、体質に合っていない可能性が考えられます。担当の医師または薬剤師に相談しましょう。 ただ飲み続けるだけじゃダメ?より効果を出す方法 防風通聖散は脂肪分解・燃焼、便秘解消、むくみ解消の3つのダイエット効果で肥満解消をサポートしてくれる漢方薬ですが、炭水化物の制限や軽い運動を取り入れると、より効果を発揮します。さらにダイエット効果を実感したい方は、ご自身の体調と相談しながら、食生活の見直しや運動を取り入れてみてください。 防風通聖散の副作用 漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、患者様の体質や他の医薬品との飲み合わせにより副作用が現れる可能性があります。 防風通聖散による副作用の主な症状は以下のとおりです。 胃の不快感・食欲不振・吐き気・腹痛・下痢 動悸・不眠・発汗過多 発疹・発赤・かゆみ 防風通聖散には大黄(ダイオウ)や芒硝(ボウショウ)という便秘を改善する効能をもつ生薬が含まれているため、下剤との併用は避けてください。また、防風通聖散に含まれる麻黄には交感神経を刺激する作用があるため、エフェドリンやテオフィリンなどの交感神経刺激作用のある薬との併用は注意が必要です。さらに防風通聖散は、甘草が含まれる漢方薬や医薬品、食品と併用すると、むくみや血圧上昇などを起こす偽アルドステロン症になる可能性があります。その他、間質性肺炎や肝障害、ミオパチー、腸間膜静脈硬化症の発症も報告されています。 ご自身の体質が原因で副作用が現れてしまう場合もありますが、防風通聖散と相性の悪い漢方薬や医薬品との併用を避けることで、望まない変化を回避することが可能です。 防風通聖散やその他の漢方薬や医薬品を服用する際は、まず医師や薬剤師に相談しましょう。万が一副作用が現れた場合も担当の医師や薬剤師にご相談ください。 防風通聖散の注意点 防風通聖散は、お腹周りに脂肪がつき肥満で、体力があり食欲旺盛で便秘気味の方に適している漢方薬です。そのため、痩せ気味で体力がなく、食欲不振で胃腸が弱い方が服用すると、下痢や腹痛などの副作用を起こしやすい傾向があります。 また、妊娠中もしくは妊娠している可能性がある方には防風通聖散の服用をおすすめしません。防風通聖散に含まれる大黄、芒硝は排便を促進して便秘を解消する効能がありますが、同時に子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用もあるため、流産や早産を引き起こす危険性があります。授乳中の場合も乳児に影響を与える可能性があるため、服用を避けてください。 その他にも、以下の項目に当てはまる方は服用をおすすめしません。 狭心症や心筋梗塞などの循環器系障害、重症高血圧症、排尿障害、甲状腺機能亢進症、高度の腎臓機能障害の診断を受けたことがある方 15歳未満の方 65歳以上の方 まとめ 防風通聖散は肥満解消をサポートする優れた漢方薬ですが、ただ服用しているだけですぐ痩せられる万能薬ではありません。防風通聖散を服用しながら、健康的な食生活や適度な運動を心がけることでダイエット効果を発揮します。 「食事制限によるダイエットが続かない」「運動して痩せてもすぐリバウンドしてしまう」などのお悩みをお持ちの方は、当院へお気軽にご相談ください。 防風通聖散の詳細ページはこちら 無料カウンセリングはこちら
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