ゼニカルはやばい?効果や油漏れの匂い・危険性について解説
- 投稿日:2024年05月29日
- 更新日:2024年06月20日
ゼニカルはダイエット外来で処方される医療用医薬品の1つです。
脂肪の吸収を抑制する成分が含まれており、体重減少の効果が期待できます。ゼニカルは医療機関において医師の診断のもと、肥満を改善する必要がある方に向けて処方されるのが一般的です。
しかし、2024年4月よりゼニカルと同様の効果を持つ要指導医薬品が薬剤師のいる薬局・薬店で販売を開始しました。ダイエット効果が期待できる市販薬として注目されていますが、服用する際は患者様ご自身で薬の作用を正しく理解することが大切です。
このコラムでは、ゼニカルの効果や飲み方、服用によって起こる油漏れやビタミン不足などの副作用について解説します。
ゼニカルとは
ゼニカルとは、アメリカ食品医薬品局(FDA)で認証された肥満治療薬です。
通常、食事から摂取した脂質は、体内の脂肪を分解する消化酵素「リパーゼ」の働きによって「脂肪酸」と「グリセリン」に分解され、小腸から吸収されます。しかし、ゼニカルを服用すると、有効成分「オルリスタット」によって「リパーゼ」の働きが阻害され、脂肪の吸収が抑制されます。そのため、食事から摂取した脂質が体内に吸収されにくくなるため、肥満改善をサポートする効果が期待できます。
ゼニカルの効果
ゼニカルの服用で期待できる効果は、以下の3点です。
- 脂質を消化・分解する酵素の働きを阻害する
- 脂肪の吸収を抑制する
- 吸収されなかった脂質は便として体外に排出する
ゼニカルに配合された有効成分「オルリスタット」は、食事で摂取した脂質の約30%を体外に排出します。ゼニカル服用中は、体内に吸収されなかった脂質が便として排出されます。自然と摂取カロリーが抑えられるため、食生活を気にせずダイエットに取り組めます。
ゼニカルの飲み方
脂質を多く含む食事を摂取するときに、1回1錠を食事中または食後1時間以内に服用してください。ゼニカルは食事から摂取する脂質に対して効果を発揮するため、脂質が少ない食事のときに服用しても効果はあまり期待できません。
また、1回に2錠以上服用してしまうと、脂溶性ビタミン不足や下痢など副作用のリスクを高める危険性があります。ゼニカルの効果を正しく発揮するためにも、用法用量を守って服用してください。
ゼニカルの油漏れについて
ゼニカルの副作用には「油漏れ」があります。油漏れとは、食事で摂取し、体内で吸収されなかった脂質が肛門から無意識に漏れ出てしまうことです。油漏れは下着だけでなく、椅子やソファーにも汚れがつく可能性があります。油汚れであるため、色や匂いがついてしまうと洗濯してもなかなか落ちません。処方薬であるゼニカルだけでなく、同様の効果がある要指導医薬品でも油漏れは起こり得るため、事前に対策を心がける必要があります。
ゼニカルの油漏れはいつから?
一般的に、ゼニカルの成分によって体内に吸収されなかった脂質は、ゼニカル服用後1~2日程度で油混じりの便として排出されます。油の色は黒や茶色で、油特有の匂いがします。脂質を多く含む食事を摂取すると、油漏れの量も増えてしまうため注意しましょう。
ゼニカルの油漏れはいつまで続く?
ゼニカルの油漏れは、体内に吸収されなかった脂質がすべて体外に排出されるまで続きます。服用を中止した場合、3日程度で油分の排泄がなくなるのが一般的です。大切な予定がある場合は医師と相談のうえ、当日の2~3日前から服用を中止することをおすすめします。
ゼニカルの油漏れ・匂い対策は?
脂質が少ない食事を摂取すると、油漏れの量を減らすことが可能です。しかし、油漏れを防ぐのは難しいため、尿取りパッドや大人用のおむつ、生理用ナプキンを使用して対策してください。匂いが気になるときに備えて、いつでも交換できるように予備を持ち歩いておくと安心です。
ゼニカルの副作用
油漏れ以外のゼニカルの副作用として、「脂溶性ビタミン不足」「排便回数やおならの増加」「肌トラブルの発生」があげられます。
● 脂溶性ビタミン不足
脂溶性ビタミンとは、油脂に溶けて体内に吸収されるビタミンです。ゼニカルは、食事で摂取した脂質を体外に排出する効果があります。そのため、脂質に溶けた脂溶性ビタミンは体内に吸収されないまま排出される可能性があります。ビタミン不足を回避するためには、野菜や果物を摂取して栄養を管理することが大切です。
● 排便回数やおならの増加
ゼニカルを服用すると、体内に吸収されなかった脂質は腸内にたまりやすくなります。その影響で、下痢のような症状を起こして急にトイレに行きたくなったり、お腹が張っておならが出やすくなったりする場合があります。おならは油漏れを同時に起こす可能性もあるため、注意が必要です。
● 肌トラブルの発生
ゼニカルの成分によって肌に含まれる油分が不足したり、ビタミンが不足したりすると、肌が乾燥しやすくなります。肌の乾燥を防ぐためには、乳液やクリームなどを使用して、普段より意識的に肌の保湿ケアを行うことが大切です。
ゼニカルの購入方法
ゼニカルは医療機関や通販サイトで購入できます。ただし、通販サイトから購入すると偽物が届く場合があります。偽物の医薬品を使用すると身体に異変が生じる可能性もあるため、医療機関で処方されることをおすすめします。
まとめ
ゼニカルは肥満改善をサポートするダイエット薬ですが、副作用として油漏れのリスクが伴います。ゼニカルを服用する際は、効果や副作用について正しく理解し、事前に大人用のおむつや生理用ナプキンで対策するように心がけましょう。
BSクリニックでは、無料カウンセリングを承っています。患者様一人ひとりに合わせて効果的な治療プランをご提案しますので、お気軽に当院までご相談ください。
監修医師
BSクリニック 顧問医師医学博士
舟越 勇介
学歴・経歴
九州大学医学部を卒業後、数々の有名病院で勤務。癌治療や分子生物学の研究で学位を取得した後、美容クリニックの勤務を経て2023年にBSクリニック顧問医師に就任。 医療に対する学術論文を複数発表し、国内外の有名な機関紙にも掲載され評価を得る。
資格・所属学会一覧
- 日本美容医療学会 正会員
- 日本肥満学会 正会員
- 日本美容外科学会 正会員
- 日本癌学会 正会員
- 日本脳腫瘍学会 正会員
- 日本脳卒中学会 正会員・専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 正会員・専門医
- 日本脳卒中の外科学会 正会員・技術認定医
- 日本神経内視鏡学会 正会員・技術認定医
- 日本脊髄外科学会 正会員
- 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 厚生労働省認定 臨床研修指導医
- ボトックスビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
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