GLP-1ダイエットはやばい?危険性やデメリットを専門医が解説
- 投稿日:2023年11月24日
- 更新日:2023年12月07日
GLP-1ダイエットとは、「痩せホルモン」といわれるGLP-1と同じ作用を起こす薬を使用するダイエット方法です。食欲を抑えて満腹感を持続させる効果があるため、つらい我慢をせずに自然に食事量を減らせます。
手軽な反面で「GLP-1ダイエットって危険じゃないの?」「GLP-1ダイエットには副作用があるから怖い」など、GLP-1ダイエットに関して不安を抱く方も少なくありません。
このコラムでは、GLP-1ダイエットに関心はあるけど不安という方に向けて、GLP-1ダイエットの危険性や副作用、デメリットについて解説します。
GLP-1ダイエットの危険性
GLP-1ダイエットで考えられる危険性は、以下の3点です。
- 副作用
- 個人輸入のリスク
- 糖質制限や無酸素運動との併用
GLP-1ダイエットの副作用
GLP-1ダイエットには、副作用として消化器官の障害や血糖値の変化に関わる症状が現れる可能性があります。
GLP-1ダイエットによる主な副作用としては「低血糖」「胃腸紹介」「膵炎」の3つがあげられます。
1. 低血糖
GLP-1ダイエットで使用するGLP-1受容体作動薬は、血糖値が低い状態の場合は作用しないため、一般的に低血糖のリスクは低いとされています。ただし、糖質制限ダイエットや他の糖尿病治療薬を併用すると、低血糖を引き起こす可能性があるため注意が必要です。低血糖になると、倦怠感や脱力感、めまい、吐き気、手足の震え、冷や汗、動悸などの症状が現れます。
2. 胃腸障害
GLP-1ダイエットは、食べ物の消化を緩やかにして満腹感を持続させる効果がある反面、胃腸障害を引き起こすリスクもあります。主な症状としては、吐き気、便秘、下痢、嘔吐などです。これらの症状はGLP-1ダイエットの治療開始直後に現れやすく、継続して使用するうちに治まっていきます。
3. 膵炎
GLP-1ダイエットは、インスリンの分泌を促すよう膵臓に働きかける作用があるため、副作用として膵炎のリスクがあります。膵炎の症状として多くみられるのは、激しい腹痛や嘔吐などですが、特に上腹部や背中に痛みがある場合は、膵炎の疑いがあります。
個人輸入のリスク
GLP-1ダイエットは、体内に投与したGLP-1受容体作動薬が消化器官に働きかけるため、吐き気や下痢、腹痛などの副作用を引き起こすリスクがあります。また、GLP-1受容体作動薬を個人輸入で入手してしまうと、偽造品や粗悪品によって望まない効果が生じる恐れがあります。そのため、GLP-1ダイエットは必ず医療機関で処方された薬を使用し、用法用量を守って行ってください。
糖質制限や無酸素運動との併用
過度な糖質制限や筋トレ、短距離走などの無酸素運動をGLP-1ダイエットと組み合わせると、血糖値の急激な低下によってめまいや意識障害を引き起こす危険性があります。
そのため、GLP-1ダイエット中は栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。また、運動をする場合は無酸素運動ではなく、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。適度な有酸素運動には、ダイエット効果を高めてリバウンドしにくくなるメリットがあります。
GLP-1ダイエットのデメリット・注意点
GLP-1受容体作動薬には、注射のサクセンダと錠剤のリベルサスがあります。サクセンダは1日1回の自己注射が必要なため、針や痛みが苦手な方にとってはデメリットとなる可能性があります。一方でリベルサスは1日1錠を飲むだけなので、手軽さではサクセンダを上回ります。
また、GLP-1ダイエットは治療を開始してすぐに痩せるわけではありません。効果が現れるまでに1ヶ月程度かかる場合があるため、継続的な治療が必要です。ただし、治療期間中に食事量を減らすことが難しい場合や、用法用量を守って服用しない場合は減量効果が現れにくくなります。
治療を始めてから体調に異変が現れた場合はすぐに薬の使用を止め、早めに医師に相談してください。特に低血糖の症状が出た場合は、速やかにブドウ糖を補給して安静にする必要があります。
その他の注意点として、GLP-1ダイエットには禁忌があり、以下のケースに当てはまる場合は治療を受けることができません。
- 腹部の手術、腸閉塞の既往歴のある方
- 18歳未満または70歳以上の方
- BMI18.5未満の方
- 腹部手術、腸閉塞の既往歴がある方
- 膵臓疾患の既往歴のある方
- 重度の肝機能障害や腎機能障害の方
- 胃腸障害のある方
- 甲状腺疾患がある方
- 低血糖を起こす恐れがある方
- 糖尿病の方
- 摂食障害がある方
- 妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方
まとめ
GLP-1ダイエットは食欲を抑えて無理なく減量できる一方で、危険性や副作用などの注意点もあります。しかし、事前に正しい情報を把握したうえで、医師の指導のもと用法用量を守って治療を受ければ、リスクを抑えて体重を落とすことが可能です。
BSクリニックでは、無料カウンセリングを承っています。丁寧なカウンセリングによって、患者様の体質や生活習慣に適した効果的な痩身治療をご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
監修医師
BSクリニック 顧問医師医学博士
舟越 勇介
学歴・経歴
九州大学医学部を卒業後、数々の有名病院で勤務。癌治療や分子生物学の研究で学位を取得した後、美容クリニックの勤務を経て2023年にBSクリニック顧問医師に就任。 医療に対する学術論文を複数発表し、国内外の有名な機関紙にも掲載され評価を得る。
資格・所属学会一覧
- 日本美容医療学会 正会員
- 日本肥満学会 正会員
- 日本美容外科学会 正会員
- 日本癌学会 正会員
- 日本脳腫瘍学会 正会員
- 日本脳卒中学会 正会員・専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 正会員・専門医
- 日本脳卒中の外科学会 正会員・技術認定医
- 日本神経内視鏡学会 正会員・技術認定医
- 日本脊髄外科学会 正会員
- 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 厚生労働省認定 臨床研修指導医
- ボトックスビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
参考文献
1. Zahra Alizadeh, Farzin Halabchi, Reza Mazaheri, Maryam Abolhasani, Mastaneh Tabesh. Review of the Mechanisms and Effects of Noninvasive Body Contouring Devices on Cellulite and Subcutaneous Fat. Int J Endocrinol Metab. 2016 Oct; 14(4): e36727.
引用:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5236497/
2. J Kennedy, S Verne, R Griffith, L Falto-Aizpurua, K Nouri. Non-invasive subcutaneous fat reduction: a review. Review J Eur Acad Dermatol Venereol. 2015 Sep;29(9):1679-88.
引用:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdv.12994
3. Suzanne L. Kilmer, A. Jay Burns, Brian D. Zelickson. Safety and efficacy of cryolipolysis for non-invasive reduction of submental fat. Lasers Surg Med. 2016 Jan; 48(1): 3–13.
引用:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5396277/
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