リベルサスは痩せる?リベルサスの効果や副作用について解説
- 投稿日:2023年07月21日
- 更新日:2023年12月07日

リベルサスとは、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる内服薬です。GLP-1は身体の中にもともと存在している物質で「痩せるホルモン」と呼ばれており、このホルモンにより食後の血糖値の上昇が抑制されます。この働きが医療ダイエットの分野で注目され普及しましたが、GLP-1受容体作動薬はもともと注射薬しかありませんでした。リベルサスの登場により内服薬として利用できるようになり、より低リスクで簡単に使用できるようになりました。ダイエット薬として普及しているリベルサスについて、その効果を解説します。
リベルサスのダイエット効果とは

1. 食後の血糖値の上昇を抑制する
糖の吸収が抑制されるため、食べても太りにくい体質になります。
2. 食事量を減らす
消化管の運動が抑制されるため、腹持ちが良くなり少ない食事量で満足できるようになります。
3. 食欲を抑える
脳の視床下部にある満腹中枢に働きかけ、空腹感を感じなくなります。
リベルサスの効果により、糖の吸収が抑制され体質から太りにくくなり、また摂取カロリー自体が減少するため、ダイエット薬としての効果が期待できます。実際の体重減少の効果については個人差がありますが、3~4ヶ月程度で実感できることが多いです。海外の研究にはなりますが、体重減少率が3ヶ月で5.9%、6ヶ月で10.9%というデータが出ており、リベルサスは服用を続けることで減量効果が期待できる内服薬です。服用を途中でやめてしまうと効果が切れてしまうため、継続的に服用することが重要です。
実際にリベルサスの使用中止により食事量が戻ることでリバウンドが問題となることがあります。そのため、医療ダイエットでは体重減少のためリベルサスを使用しますが、合わせて医療機器や脂肪溶解注射などを用いることでリバウンドしにくいダイエットを提供しています。
リベルサスの飲み方

1日1回1錠(3mg・7mg・14mg)を服用します。空腹の状態でコップ半分(120ml以下)の水で服用することが推奨されています。また、服用後30分は少なくとも飲食や他の薬剤の経口摂取は避けることが推奨されています。リベルサスを使用する前には必ず医師に相談し、禁忌事項や注意事項の確認が重要です。
リベルサスの副作用
副作用としては、気持ち悪いといった吐き気などの胃腸症状が現れることが多いですが、服用を続けていると次第に症状は軽減します。服用による副作用の出現や症状の変化を確認するため、低用量から開始して徐々に用量を上げていくのが一般的です。重篤な副作用としては低血糖があります。低血糖ではふるえ、動悸、冷や汗、空腹感などが生じ、場合によっては意識障害を生じる可能性があります。過度な食事制限を行っている方や、他の糖尿病治療薬を使用している方は低血糖が起こりやすくなります。また、他の重篤な副作用として、急性膵炎を生じることがあり、嘔吐を伴う激しい腹痛や背部痛などを生じることがあります。
リベルサスの危険性

リベルサスには併用禁忌薬に該当するお薬はありませんが、注意が必要なお薬がいくつかあります。
1. 糖尿病治療薬
糖尿病治療薬との併用は、低血糖を生じる可能性があるため注意が必要です。
2. レボチロキシン製剤(甲状腺ホルモン製剤)
リベルサスによる消化運動の抑制が、レボチロキシン製剤の作用を強めることがあります。
リベルサスは、使用する方の健康状態によっては注意が必要な場合があります。
1. 重度の胃腸障害がある方
胃腸障害が悪化したり、胃腸症状の副作用が強く出現したりすることがあります。
2. 膵炎の既往歴がある方
副作用の急性膵炎が生じることがあり、注意が必要です。
3. 低血糖の危険性がある方
脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良状態、激しい運動後、過度のアルコール摂取者などにおいては低血糖が出現する可能性があります。
4. 胃摘出後の方
リベルサスは胃で吸収されるため、その効果が薄れる可能性があります。
5. 妊娠予定2ヶ月以内の女性・妊婦・授乳婦
原則的にリベルサスの使用は認められていません。
リベルサスの服用が禁忌の場合がありますので注意してください。
1. リベルサスに対してアレルギー(過敏症)の既往がある方
重篤なアレルギーを生じてアナフィラキシーショックに至る可能性があります。
2. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の方
インスリン製剤による治療が必須となるため、リベルサスの併用は禁忌です。
リベルサスの服用が他の治療に影響したり、副作用を起こす原因となったりすることがあるので、服用にあたっては必ず医師に相談してください。
リベルサスの購入について

リベルサスは2型糖尿病治療において保険適用となります。また、肥満治療においても保険適用が可能であり、BMIが35以上の高度肥満や、BMIが25以上で脂質異常などの生活習慣病を持っている方も適用されます。病的な肥満の場合は保険医療機関での処方をおすすめします。
医療ダイエットでのリベルサスの処方は自由診療になります。リベルサスの保険適用外の費用は投与量によって異なります。実際の価格はクリニックによって異なる場合がありますので、治療を受ける際に予算や費用面を考慮する必要があります。
一部のクリニックではオンラインの処方が可能ですが、用法や容量を守らずに内服することは非常に危険であり、症状や基礎疾患などについて、医師への相談は忘れずに行ってください。
近年、海外通販などでリベルサスが取り扱われており購入が可能ですが、正規品と異なることがあったり、通常よりも高額になったりする場合があるため、トラブルが多くお薦めできません。リベルサスは自己判断で服用するのは非常に危険であり、絶対に避けるべきです。
ここまでリベルサスについてご紹介してきました。リベルサスは体重減少において非常に有効な内服薬です。しかしながら、服用をやめてしまうとリバウンドの原因となったり、重篤な副作用を生じたりする可能性があり、服用にあたっては必ず医師と相談のうえで進めるようにしましょう。
監修医師
BSクリニック 顧問医師医学博士
舟越 勇介

学歴・経歴
九州大学医学部を卒業後、数々の有名病院で勤務。癌治療や分子生物学の研究で学位を取得した後、美容クリニックの勤務を経て2023年にBSクリニック顧問医師に就任。 医療に対する学術論文を複数発表し、国内外の有名な機関紙にも掲載され評価を得る。
資格・所属学会一覧
- 日本美容医療学会 正会員
- 日本肥満学会 正会員
- 日本美容外科学会 正会員
- 日本癌学会 正会員
- 日本脳腫瘍学会 正会員
- 日本脳卒中学会 正会員・専門医
- 日本脳神経血管内治療学会 正会員・専門医
- 日本脳卒中の外科学会 正会員・技術認定医
- 日本神経内視鏡学会 正会員・技術認定医
- 日本脊髄外科学会 正会員
- 日本脊椎脊髄病学会 脊椎脊髄外科専門医
- 日本脳神経外科学会 専門医・指導医
- 厚生労働省認定 臨床研修指導医
- ボトックスビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ® 認定資格医
- ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
参考文献
1. Wendy H Updike, Olivia Pane, Rachel Franks, Faizah Saber, Farah Abdeen, Derek D Balazy, Nicholas W Carris. Is it Time to Expand Glucagon-like Peptide-1 Receptor Agonist Use for Weight Loss in Patients Without Diabetes? Drugs. 2021 Jun;81(8):881-893.
引用:
https://link.springer.com/article/10.1007/s40265-021-01525-x
2. Yuichiro Yamada, Hideki Katagiri, Yoshiyuki Hamamoto, Srikanth Deenadayalan, Andrea Navarria, Keiji Nishijima, Yutaka Seino; PIONEER 9 investigators. Dose-response, efficacy, and safety of oral semaglutide monotherapy in Japanese patients with type 2 diabetes (PIONEER 9): a 52-week, phase 2/3a, randomised, controlled trial. Clinical Trial Lancet Diabetes Endocrinol. 2020 May;8(5):377-391.
引用:
https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(20)30075-9/fulltext
3. Daisuke Yabe, Jiro Nakamura, Hideaki Kaneto, Srikanth Deenadayalan, Andrea Navarria, Mette Gislum, Nobuya Inagaki; PIONEER 10 Investigators. Safety and efficacy of oral semaglutide versus dulaglutide in Japanese patients with type 2 diabetes (PIONEER 10): an open-label, randomised, active-controlled, phase 3a trial. Clinical Trial Lancet Diabetes Endocrinol. 2020 May;8(5):392-406.
引用:
https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(20)30074-7/fulltext
4. Wissam Ghusn, Alan De la Rosa, Daniel Sacoto, Lizeth Cifuentes, Alejandro Campos, Fauzi Feris, Maria Daniela Hurtado, Andres Acosta. Weight Loss Outcomes Associated With Semaglutide Treatment for Patients With Overweight or Obesity. JAMA Netw Open. 2022 Sep; 5(9): e2231982.
引用:
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2796491
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